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事故に遭いやすい車の色

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色の雑学
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こんにちは。いたみけいこ(‎@keiko_itami)です。
色の勉強をしています。
今日は車の事故と色の関係性について考えていきます。

何色の車が事故に遭いやすいのか、どんな心理が働いてそういう結果となっているのか、2つの調査結果から考えてみます。

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2つの調査:事故に遭った車の色について

調査1:「Using Colour to Sell」

「Using Colour to Sell」(著:Eric P Danger)(1968年)によると、事故に遭った車を色別に分けたところ、割合は以下のようになりました。

1位 青(25%)
2位 緑(20%)
3位 灰色(17%)
4位 白・クリーム色(12%)
5位 赤・マルーン色(8%)
6位 黒(4%)
7位 茶色・ベージュ色(3%)
8位 黄・金色(2%)
9位 他(9%)

進出色・後退色

青い車が事故に遭いやすい理由付けとして考えられるのが、色の心理効果「進出色と後退色」です。距離の判断には色相が強く影響すると言われています。

一般的には「赤・橙・黄」などは近くに、「青・青紫」などは遠くにあるように感じられます。

また、明度に関しては同じ色相でも高明度色の方が低明度色よりも近くにあるように感じられます。

1位と2位の青と緑は、後退色に分類され、実際の距離よりも遠くにあるように感じる色であることがわかると思います。

※1

もう一つ車の色と事故率に関するデータがありました。

調査2:オークランド大学の研究(1999年)

ニュージーランドのオークランド大学の研究(1999年)によると
一番台数の多い白い車の事故率を1.0にした際の色別の事故率は以下の通りでした。

1位 茶色 2.1
2位 黒色 2.0
3位 緑色 1.8
4位 白色 1.0
5位 青色 0.9
6位 黄色 0.8
7位 赤色 0.7
8位 灰色 0.6
9位 銀色 0.4

茶色と、また微妙な色が1位となりました。
茶色はというと、暖色系(橙)の明度を下げた色ですね。

先ほどの進出色・後退色の考えでいきますと、暖色であることは進出色に分類されるのですが、明度が低いので、はっきりと進出色であるとは言い切れません。
茶色と一口に言っても明度の高めなものと低めなものでだいぶ変わると思います。

別の角度から見てみます。
事故が少ない色は銀色、つまりシルバーですね。
シルバーは光を反射しやすく、昼夜問わず視認性が高いということは考えられると思います。
そして膨張色でもあるため、大きく見え、存在感を感じやすいということは言えるかもしれません。

こちらのデータでは先ほど事故に一番遭いやすいとされていた青が0.9で、標準的な白よりも低い結果が出ていますね。

目立ちやすさは周りの色で変わる

注意を向けていない対象の発見されやすさのことを「誘目性」と言います。
色の誘目性という面からも同時に考える必要があります。

まず、前提として目立つ色というのは背景色によって変わります。

背景が黒・灰色・白、つまり外の景色が夜間である場合か曇りである場合か、晴れている場合、雪の日や夕暮れなど、

環境が変わることによって目立つ色というのは違ってきます。

背景色と誘目性の関係は以下のようになっています。

※2

青紫・紫は夜間でも曇りの日でも晴れでも誘目性は低く
赤・黄赤・黄の誘目性は高いと言えます。

よく目立ち事故に遭いにくいのは総合的にみて黄色

以上の結果を踏まえると、進出色で視認性が高く、
目立つことにより事故に遭いにくい車の色は

黄色

であると言えます。

青は多くの環境において誘目性も低めで、実際の距離よりも遠くに感じやすい後退色でもあるため、特に注意が必要です。

車の色選びに関して、上記のデータは参考程度に

今回は車の事故率と色の関係性について考えてみました。

こちらのデータは色でしか分類されておりませんので、車種や周りの環境などは全くわかりません。
参考程度に、愛車を大事に使って何色の車であっても運転には気をつけていきましょう。

※1
色彩心理学入門 ニュートンとゲーテの流れを追って(著:大山 正) 
及び 
色彩検定文部科学省後援公式テキスト3級 
を加工して作成 

※2
色彩検定文部科学省後援公式テキスト2級 
を加工して作成

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